ブレインスポッティングの研修を修了しました
8/31、9/1 BTI-Jが開催するブレインスポッティング phase1 の研修に参加致しました。本来は名古屋の現地開催の研修に参加する予定でしたが、台風の影響で全オンラインでの研修となりました。
今回私が受けたブレインスポッティングとは、トラウマ治療のために開発されたものですが「心理療法」ではありません。
脳の深い部分にアクセスし、カプセルの中に閉じ込められたトラウマを癒す処理を促進する方法です。
心理療法ではありませんが、脳の処理をすることで心理的な変化をもたらすものです。
ブレインスポッティングの起源は、2003年 David博士がナチュラルフローEMDR(EMDRをアレンジしたもの)をクライエントに行っていた際に発見されました。
EMDRは眼球を左右に動かしトラウマ処理を促進するものです。
眼球運動をしていた際にクライエントの目が小刻みに揺れ、何かにくぎ付けになるように視点が固定され博士は反射的に動かす手を止めました。
すると、これまで忘れ去られていたかに思えたトラウマ記憶達が次々と現れ、処理されていったのです。
これがブレインスポッティングの始まりです。
私はホメオスタシス(恒常性機能)という「元の状態に戻そうとする力」を持っています。
傷つく経験であっても、衝撃的な出来事であっても、ホメオスタシスにより情報が“処理”され、
一連の記憶の中に統合されていきます。
すると、私たちは「過去のこと」として記憶するようになります。
トラウマというのは、ひとつだけ特別なカプセルに閉じ込められ、統合されずに彷徨っている記憶と考えられています。
ですから、フラッシュバックが起こると、真空保存されたものを開封したかのように
「今起きている」かのように鮮明に想起されるのです。
ブレインスポッティングは脳の深い部分に働きかける療法です。
私たちが普段、信念や理想、善悪などを語るときに使うのは脳の新しい部分(新皮質)です。
論理的に考えたりするのは人間らしさでもあり、高次の機能を司ります。
一方、新しい脳はトラウマの閉じ込められている場所(皮質下)を制御出来ません。
ですから、いくら頭で考えても良くならない、わかっているけどやめられない状態というのが存在します。
心理療法には、イメージを使ったもの、記憶の中から重要なものを引き出して幼少期に退行するもの等がありますが
論理的に考える傾向が強い方は入り込めず、効果が出ずらいのも「通常の心理療法では深い部分にアクセスしずらい」からです。
逆に、ブレインスポッティングでなくても、退行催眠でトラウマの処理が深く進んだ方は
私と記憶を探索する中で、脳の深い部分にアクセス出来たのではないかと私は考えています。
今後は愛着支援に統合してブレインスポッティングを使っていきたいと思います。
また、今回、推薦状を書いて下さったスーパーバイザーの先生、門を開いて下さったBTI-Jに心から感謝申し上げます。
2024年09月01日 20:11