橋渡しの支援/ポジティブのバトン
当カウンセリングルームでは夫婦相談、親子相談(不登校含め)など、個人のカウンセリングに留まらず複数人を同時進行でカウンセリングする事もございます。
夫婦相談はとても難しいと言われておりますが、その難しさは、単なる夫+妻という足し算ではなく
掛け算で問題が大きくなっており、その分解決する項目が多いことと、
両者の関係性から生まれる特有の問題の本質に気付き、うまく嚙み合わせていくことの難しさがあるからと言えます。
私が資格を取る際の講師の一人はカウンセラーとしては私より遥かに経験も多く
年齢も上でしたが「夫婦相談は難しい」「認知行動療法ってなんか強引だし。離婚が悪なわけではないし」と語っていました。
更に私はこの時、クライエント役で日常のことを話す役だった為夫婦関係について語ったのですが、
この講師からは「なんで離婚しないの??」「私は離婚してからのほうが幸せだけどね」という
フィードバックを受け、困惑しました。
カウンセリングでは「無知の知」といって、常に無知の姿勢で
フラットに客観的姿勢で、受容的に傾聴することが求められますが、
上記のように、カウンセラーの価値観や先入観が入ってしまうと主観的な助言になりやすいものです。
クライエント役を行ったことで、
クライエント側の「伝えることの難しさ」
カウンセラー側の「気持ちをくまなく汲み取ることの難しさ」を痛感しました。
私も正直、夫婦カウンセリングはとても難しいと感じることが常ですし(そもそも「簡単」な案件などないのですが)
双方の不満や怒りをぶつけられることも多いので、自分の心が摩耗しないようセルフケアも欠かせません。
それでも私が、あえて難易度の高い夫婦相談を引き受ける理由は
次の世代への責任感です。
命はバトンが次の世代へと引き継がれる時、
対人関係のひな形、感じ方のひな形も引き継がれます。
これは夫婦相談に限らず、現在独身の個人カウンセリングに通う方にも共通のテーマとなります。
いつか出会うかもしれないお客様の子ども、孫へ引き継ぐバトンが温かいものであるように
そう願って夫婦相談を引き受けさせて頂いております。
これは世代間の「橋渡し」の支援です。
もっと視点を近くにフォーカスし戻すと、
夫から妻へ、妻から夫へ、というバトンがうまく行き来するような支援をすることが
カウンセラーの使命といえます。
ポジティブは、よりポジティブに。
ネガティブは断ち切って。
このようにエネルギーを変換したり断ち切ったり、増幅させながら橋渡しを何度も行うことで
次第に、私がいなくても夫婦間でうまくリレーが行われるようになります。
ですから、夫婦関係で悩んでおり
少なくとも「争わずに解決していきたい」「出来れば修復したい」という気持ちがある方は
問題が山積みの状態で構いませんので相談にいらしてください。
そこには夫、妻、双方の協力が不可欠ですが
その両輪が揃うように、初回からサポートしたり道筋を示しながら進んでいきます。
また、夫婦相談に限らず、親子関係、職場の後輩上司、友人、恋人との人間関係に困っている方も
お気軽にご相談ください。
2024年05月15日 13:25