トラウマサバイバー達へ。美しい世界を見るために
トラウマを抱えた方は狭く暗い「檻」の中にいます。心が閉ざされ、暗く狭い場所に居る時は
周りの景色も、人々の親し気な声も届かないかもしれません。
「人に頼ろうよ」「もっと信じようよ」
「一人で抱えないで」「どうしてそんな小さなことで悩むの?」
周囲からこんな言葉を囁かれても
「信じるって何?」
「人に頼るってどうやるの?」
「小さなことだって頭ではわかっている」
こんな風に感じるかもしれません。
トラウマサバイバーにとって「安心感」はほど遠い世界です。
これが安心感なんだ、これが愛されているということなんだ
という実感を経験せずに大人になると、かなり多くの場合対人関係に困難が生じます。
見えない、聞こえない、感じない、知らない、怖い・・・
独りぼっちだ、自分は愛されない、自分はとても小さく価値のない存在だ・・・
檻の中にいると、こんな風に感じるかもしれません。
トラウマサバイバー達は
「明るい世界なんて本当にあるのかな」
「幸せなんてあるのかな」
と半信半疑で、治してくれる治療者を、そんな世界を見せてくれる人を探して彷徨っているのです。
私たちは、心と心を繋げることが出来る生き物で、その機能を生まれながらに持っています。
人との繋がりの中で「温かい」と感じることが出来る生き物です。
美しいものを「美しい」と感じることが出来る生き物です。
安心感のある世界をほとんど知らないという方でも
その世界を感じる時間が一瞬だけですぐに闇に引き戻されるという方でも
フォーカスする軸が変わると、見える世界は変わります。
「幸せ」はすぐそばにあるからです。
一日の終わりを告げるオレンジの夕焼け 星空 月
朝日 朝の匂い 木々や花の香り
おいしいご飯 香ばしい珈琲の香り
温かい眼差し 体調を気遣う優しい声
暗い檻の中からここまで上がってくるには長い道のりがありますが
美しいものは本当はすぐ傍にあって
穏やかな時間を感じるための「芽(眼)」をみんな持っているんです。
今は閉じているだけ。
私の元に通っているクライエント達が一人でも多く
こんな世界を見ることが出来ますように、という信念の元
私は日々のカウンセリングひとつひとつを大切に行っています。
これまで尊重されずに生きてきたクライエントの心と命を
宝物のように慈しみながら大切に接しています。
世界中にいるトラウマサバイバー達が
志高いカウンセラー、医師、治療者の元に辿り着くことを願って止みません。
2024年02月29日 20:10