なぜカウンセリングで心が癒えるのか
これまで多くのクライエントと接してきた中で、うまくいったケースもあれば、そうではないケースもありました。そもそも、なぜカウンセリングで心が癒えるのでしょうか?
私達人間は、他者の「真似」をして心を成長させていきます。
親や周囲の大人たちから「心」を「感情」を取り込み、葛藤しながら「自己」という形を作り上げていくのです。
粘土で工作を作る様子をイメージしてみてください。
自身がまだ粘土を見たことも触ったこともない場合、「この塊はなんだろう?」と思いますよね。
しかし、隣に座った人が粘土を捏ねて「これがおうちだよ」と、家を作ったとしたら
これが「家」というものなのか、と真似て作るでしょう。
これが悲しみだよ
これが苦しみだよ
これが痛みだよ
これが嬉しいという気持ちだよ
これが喜びだよ
こんなふうに、周囲の人間と一緒に心を作り上げていくのです。
「自分の心がわからない」と訴える方の多くは、幼少期にこの体験で躓いています。
親を真似て「怒り」を作ってみたけど本当にこれが「怒り」なんだろうか
こんな風に漠然とした感覚で生きていると「生きづらい」「自分の本心がわからない」となります。
カウンセリングは「もう一度粘土をまっさらにして、一緒に作ろう」という過程です。
自分の感情に気付き、それを表現した時。
自分の形がくっきり浮かび上がった時。
それが「気付き」です。
人は心を持つ生き物なので、心を育てなければならないのです。
心を育て、雲に隠れていた部分がはっきりすると、過去の傷も次第に「過去のもの」になっていくのです。
2023年06月08日 15:06