杜の都カウンセリング&セラピィ 紅葉(もみじ)|仙台の心理カウンセリング|アダルトチルドレン、不安障害、強迫性障害、夫婦修復など

仙台の心理カウンセリング【紅葉】は、根本的な性格修正・認知修正を重視し、アダルトチルドレンのカウンセリングに特化しています。

トラウマ治療後の副作用

トラウマや、トラウマまではいかなくとも傷ついた体験などを処理し楽にする心理療法はいくつもあります。
認知行動療法もそのひとつですが、どうしても認知の段階ではうまく処理出来ず
「頭ではわかっているけどそうなってしまう」状態からなかなか抜け出せない方も多くいます。

その時はクライエントと相談の上で別の心理療法を使ってトラウマ治療を行います。

トラウマ治療で有名なEMDRは、私は習得していないので
主にゲシュタルト療法やフォーカシングを使います。

EMDRに比べると効果も緩やかですが、EMDRほど副作用も強くありません。

しかし、ゲシュタルトやフォーカシングによって心の蓋を開けることで
発熱したり、仕事に集中出来なくなるなどの副作用を催すかたもいます。

そこで今回は、私の体験も交えながらそんな時の対処法を書こうと思います。

私も実際にトラウマ治療を受けた後は劇的に良い変化があったわけではなく
何かが崩れた感覚がしばらく続きました。
地に足がついていない感覚、言いようのないモヤモヤと安心感が同居している感覚を抱いたまま過ごし
「あれ?なんかおかしいぞ?」と感じる事が続きました。

「何かが崩れた」というのは、心理学の言葉で言うと「防衛」が崩れたということです。

これまで鉄壁で囲い、必死に守ってきた部分が露わになった為、文字通り無防備な状態となったのです。

今までは傷つかなかったこと、対して心が動揺することもなかった事象で「苦しい」と感じるようになりました。
しかし、これが「防衛の無い、自然な状態」なのです。

私を担当していた心理士と医師からも「今の状態が普通なんだと思います。」
「新しい自分に慣れるには時間がかかるかもね」と説明されました。

今現在、副作用によって揺らいでいる方は
「今まで必死に鉄壁で守ってきたから立てていたけど、今はその壁が壊され始めた。だから、揺らいで普通なんだ」
と捉えてみてください。

そして「今までの自分、よく頑張ったな」と労ってあげましょう。

職場の中のインテリア、目の前にある物、外の景色など
その中から何かひとつの対象を決め、ただそれを観察してみるというのも
マインドフルネスの練習になります。

私の場合は、トラウマ治療と別にセルフでトラウマ処理法を行ったせいもあるかもしれませんが
毎日のように記憶のアルバムがめくられていくような感覚で
とても古い記憶や、大人になってから嫌だった出来事などが
ランダムに頭の中を駆け巡るという時期が一か月くらい続き、
マインドフルネスと自分をねぎらうことで次第に揺らぎは落ち着いていきました。

鉄壁が分厚ければ分厚いほど、無垢な自己を積み上げるのには時間がかかるかもしれません。
しかし、「そこから始まる。」「きっと大丈夫」と信じて乗り切って頂きたいと思います。
2024年02月06日 10:38