よい関係性作りに欠かせないもの
夫婦、カップル、親子、上司、部下、友人・・・あらゆる対人関係の中で、うまくいく場合とそうでない場合は何が違うのでしょうか。
ひとつは「話し合いが出来ているか」という事です。
特に、距離感が近い夫婦やカップル、親子関係では「言わなくても分かるだろう」「察してくれ」
という勝手な期待を持ちやすくなります。
いくつか例を挙げましょう。
・妻は「最近夫が愛情表現をしてくれない。」「仕事ばかり優先して、私が大切なのか伝わらない」という不満を持っています。
夫にそれを伝えると「こうして毎日帰ってきているだろう。毎日帰宅するということは、自分なりの愛情表現だ」
「仕事をする事も家庭を支えるため。家庭を全て優先になんて出来ないよ」と答える。
・夫は「妻から洗い物を頼まれたから洗い物をしたのに、泡が残ってるだの、食器の置き方が違うだの、文句ばかり言われるからやりたくない。」
「妻がいつもガミガミ言うので家に帰りたくない」という不満を持っており
妻としては「ろくに家事の出来ない夫にイライラしてつい口を出してしまう」と答える。
これらは、よくあるすれ違いの会話です。
この夫婦が話し合いをするとしたら、どんな話し方をすれば良い方向に進むのでしょうか。
ポイントは以下の通りです。
・正論を押し付けない
・なるべく素直に、シンプルに伝える
・相手の話もよく聞き理解を示す
前者の「こうして家に帰宅しているということはそれが愛情表現だ」と主張する夫には
「妻がどんな気持ちなのか」という共感性に欠けています。
愛情を欲している人に対して「もう与えているだろう」と頭ごなしに拒絶し話し合いすらしないのは
結果的にマイナスな作用をもたらします。
正解はありませんが、夫は「妻は寂しいんだな」と一旦受け止め共感を示した後に解決策を「一緒に探す」ことで
良い方向に向かうかもしれません。
後者の「妻が家事にガミガミ言う」という問題もよくありますが
妻は夫にひとつの家事を任せたのなら、文句を言いたくなるのをぐっと堪えて飲み込むのが得策です。
どうしても改善してほしい問題がある場合は感情的にならずに、なるべくシンプルに「こうしてほしい」と伝えるべきです。
ここで「普通こうでしょ?!」「なんで出来ないの!」と威圧的になると話し合いは良い方向には進まないでしょう。
このように、感情的にならずに自己主張することを「アサーション」というのですが
カウンセリングではアサーションの訓練も行います。
適切な人間関係は適切な自己主張、適切な傾聴が欠かせないからです。
お互いに話し合いの出来ないパートナーをお持ちの方は
一度第三者を挟んで客観的に話し合うことをおすすめします。
2024年05月30日 18:34