自己愛の病/自己愛性パーソナリティ障害
自己愛とは、文字通り「自己への愛」です。自己愛が強すぎて他者への配慮に欠けると、自己中心的な性格となり社会に適応できない場合があります。
その逆に、自己愛が低すぎても様々な弊害が現れます。
自己愛が低すぎると、自分をとことん攻撃し続け、抑うつ状態になり活力が失われます。
自己愛性パーソナリティ障害は「自分が世界の中心だ」くらいに過剰な自信を持ち、
他者からの賞賛や承認を求めるパーソナリティ障害ですが、
実はこれも自己愛の脆さが根底に隠れています。
ありのままの自分、取り繕ったり背伸びせずとも自己を肯定できる事が「自己肯定感」ですが、
自己愛性パーソナリティ障害は「ありのままの自分」ではなく「過剰に理想化した自分」でなければ満足しないのです。
つまり、理想と現実のギャップが大きく、事実に直面したとき「脆い自己愛」はたやすく崩れてしまいます。
自己愛性パーソナリティ障害ときくと「自信満々で横柄な人」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが
実は「対人関係の回避」をする事も多々あります。
それは、失敗や恥を過剰に気にするあまり、対人場面そのものを避けたり
あらゆる活動を避けたりする形で現れます。
自己愛性パーソナリティ障害のように、本当は劣等感を抱えているのに理想の自分で覆い隠そうとしてきた人にとって
他人に弱みを見せることは屈辱的で恥ずかしいことです。
そのため、カウンセリングに来ても表面的な事しか語らず、弱さに触れるような話題を避けたり
感情について語るときも淡々と、他人事のように語ったりします。
その為、カウンセラーとの信頼関係が一層重要になってきます。
カウンセラーに不信感を抱き続ければ、弱みを見せることなど到底出来ないでしょう。
「なんとかしたいけどどうしていいかわからない」
という方は、怖がらずにカウンセリングに足を運んでみてください。
何も行動しなければゼロのままですが、行動すれば何かが変わるかもしれません。
どうしたいのかという方向性や目標が定まっていない状態でも、
それを含めて、人生がその人にとってよりよいものになるように一緒に方向性を定めていきます。
2023年11月10日 17:12