協働調整と自己調整
子供は何故、すぐに泣いたり怒ったりわがままを言うのでしょうか。それは、脳も体も発達しきれておらず、感情の調整が出来ないためです。
転んで少し怪我をしただけで痛みと驚き、恐怖などから泣きます。
誰かに意地悪をされたときは悲しみや怒りを感じて叫んだり泣いたりします。
欲しいものが手に入らず、欲求不満になり、泣きます。
母親と離れて過ごさなければならない状況で、恐怖や不安から泣いたり怒ったりします。
何かをしようとしたときにそれを親から制限され、気持ちのやり場がなくなり、怒ったり、泣いたりします。
この、怒ったり泣いたりする行為は
「自分の中にある大きな感情を調整するため」に行われます。
子供は自己調整の機能が弱いため、親や大人が一緒に調整してあげることが必要なのです。
例えば、転んで泣いている時に
「あ~、痛かったね。大丈夫、大丈夫。痛いの痛いの飛んでいけ~」
このように親が少し大げさに、いつもとは少し違うトーンで介入を行うことで
子供の感情は落ち着きを取り戻していきます。
このように、誰かと一緒に感情を調整することを「協働調整」といいます。
健全な発達には、健全な協働調整が不可欠です。
カウンセリングに来る方のほとんどは成人ですが、
幼いころに「協働調整」の機会を逃した方の割合が非常に多いです。
カウンセリングとは、カウンセラーと共に協働調整を何度も繰り返し体験し
最終的には自己調整の能力を引き上げることが目的といっても過言ではありません。
協働調整と一言で言っても、
カウンセラーとの信頼関係、様々な葛藤や不満との闘い、
難しい課題への挑戦、実に様々な過程が含まれており、
一筋縄ではいかないのが常です。
そのため、自己調整の機能が弱い人ほど時間がかかる傾向があります。
一回話してすっきりして楽になるカウンセリングも「協働調整」の時間には違いないのですが
自己調整能力の成長まで繋がるかというと、一回では難しいのが現実です。
ですので、私のカウンセリングでは中長期的に見たカウンセリング支援を行っております。
感情の調整が出来るようになりたい、自分とは?というアイデンティティの確立について
カウンセリングを通して向き合っていきたいという方は、お気軽にご相談いただければと思います。
2024年05月20日 21:33