なぜ自己批判ばかりするのか?得られる利益とは?
いきなりですが、疾病利得(しっぺいりとく)という言葉をご存知でしょうか。病気になったから〇〇をしなくて済む
病気になったから経済的援助を受けられる
病気になったから優しくしてもらえる
など・・・
病気になったことで利益が得られる事を疾病利得と呼びます。
分かりやすく身近なもので言えば、病気と嘘をついて学校や会社を休むこと。
これは誰しも一度は身に覚えがあるのではないでしょうか。
今回のブログでは多面的に、広い意味での疾病利得について書こうと思います。
※疾病利得という言葉を使っていますが、決して「うつ病と嘘をついている人がいる」「本当は精神疾患ではないのに詐病している」
このような短絡的な意味では使用しておりません。
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自己肯定感が低く、自信が無い方は褒められる事や受け取る事に慣れていない事が多いです。
褒められたり賞賛されても
「いや、私なんかまだまだです…」
「私なんて全然すごくないんです。もっとすごい人はいくらでもいますから」
「え、そうですか?私は全然そうは思えないんですが…」
などと拒絶をしたり、困惑して固まってしまう人もいます。
このような方の多くは「他者が同じ事をしていたら素直にすごいと褒められるのに、自分の事となると認めることが出来ないんです。他者は既に、私より頑張っているので、私はもっともっと頑張らないとダメなんです。」このような内容を語り、自己評価が異常に低い傾向があります。
なぜ必要以上に自分を卑下するのか?
ひとつは、それが出来る自分、達成した自分を認めてしまうと
それが出来ることが「普通」の状態になる事を恐れている、という面が考えられます。
今回はうまくいったかもしれないけど、たまたまだ。次は失敗するかもしれないし…
相手が大げさに褒めてくれてるだけで、他の人は評価しないに違いない…
つまり「出来ない自分」「弱い自分」で居る方が、失敗したり恥をかいたときに
言い訳する理由があるため安全という事です。
ほら、やっぱり自分には出来ないんだ。あの時がたまたまだったんだ…
やっぱり自分は何をやってもだめなんだ…
このように考え、失敗を正当化出来れば
新たな努力や失敗のリスクから回避することも可能かもしれません。
奮起させるために役に立つ反省は良いのですが、
このような偏った自己批判は何も生み出さない事のほうが多いのです。
しかし、何らかの役には立っている。
回避や失敗しないで済むから。
これも、疾病利得のひとつと言えるでしょう。
変わりたくない、努力も一切したくないのならそのままでも良いのですが
カウンセリングに来る方のほとんどは「変わりたい」と思い、通っています。
しかし、無意識のうちにこれまで習慣化した自己卑下、自己批判、回避から抜け出すことは難しい事です。
カウンセリングの過程で何度も何度もネガティブな自己批判を繰り返しますし、
カウンセリングの最中も批判的な思考が始まることもあります。
どのようにここから抜け出すのか?
ひとつは、目標を何度も確認することです。
どうなりたいのか?そこに必要なものは何か?
課題のレパートリーは豊富ですが、基本的にはシンプルな構造は変わりません。
「いつも何かのせいにして言い訳してしまう自分が嫌だ」
こんな風に悩んでいる方がいるとしたら
カウンセリングを受けるには十分すぎるほどの動機をお持ちですので
気軽にご相談にいらしてください。
2023年09月22日 22:35