杜の都カウンセリング&セラピィ 紅葉(もみじ)|仙台の心理カウンセリング|アダルトチルドレン、不安障害、強迫性障害、夫婦修復など

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問題行動を起こす子どもへの支援/ドッグシグナルより学ぶ

ドッグシグナルという、ドッグトレーナーと支援される家族や犬達の物語を描いたアニメが現在放送されています。 今日のブログのテーマは人間の子供への支援についてですが、まずは先日放送された「回る犬」というお話について触れたいと思います。 「回る犬」あらすじ 飼い犬の悩みを相談しにやってきた三宅さん。 ボーダーコリーの愛犬・リコシェが、散歩中に車やバイクが通りかかるとその場でグルグル回り出してしまって、危険なのでやめさせたいという。 丹羽は、三宅さんが夫と娘の3人家族であることを知り、家族全員そろってのトレーニングが必要だと言う。 ところが三宅さんの表情は思いつめているようで、未祐は違和感を覚える。 ___ 問題行動を起こすボーダーコリーをトレーニングしてほしい、と依頼に来た飼い主。 ドッグトレーナーの丹羽は、家族全員がカウンセリングを受けなければ依頼は受けない、次の休みに家族全員を連れて来るように、 と飼い主に申し付けます。 依頼しに出向いたのは母親で、夫と娘をカウンセリングに連れて来るのは難しいと渋ります。 その後、家の中の様子を撮影した動画を確認すると、 •問題行動を起こすと厳しく躾けようとする母親 •「気にしすぎ」と妻の話に耳を傾けず、リコシェをただ甘やかすだけの父親 •リコシェは家族、と可愛がってはいるが、母親に叱られるリコシェに対し「可哀想」と声を掛け、慰める娘 このような様子が確認出来ました。 また、リコシェの「車が接近すると回る」という行動は牧羊犬のボーダーコリーにはよくあるストレス行動であることが分かりました。 家の中で「ダメ」と禁止されていることを次々と起こすリコシェの行動の原因は 「家族の支援がバラバラ」であることでどうすればよいか分からず混乱しているためのストレス行動でした。 更に、厳しく躾けたり本から得た間違った支援を行う母親に対して、リコシェは何度も噛みつくという攻撃性も出ており、 母親は噛まれた事がトラウマになって怯えている様子が外部からでも顕著に分かるほど現れていました。 その後、家族が一致団結して支援の方向性を統一し、支援することでリコシェの問題行動は改善されました。 ____ 「回る犬」のお話を読み、いかがだったでしょうか。 子供を持つ親御さんがよく抱える悩み、環境に似ていると感じた方も多いのではないでしょうか。 カウンセリングでよくご相談があるのが、 「夫が子供の躾をしないので、私(妻)が厳しく感情的になってしまいます。」 「夫は構いたい時だけに子供に構い、私は叱り役で悪者みたいです。夫には怒られないので子供も夫に懐いていて、いい所取りされたような気分です」 「きちんと育児の方針を統一したいのに、義理の両親や自分の両親が甘やかしてしまいます」 このような内容です。 色々な他者と関わるのは悪くないのですが、問題行動が起きる場合は「愛着障害」の可能性があり、 その場合は周りの大人の支援を統一しなければなりません。 なぜなら、「愛着」というのは一対一でしか育まれないからです。 母親との愛着を築く事を目標にする場合、母親に内緒で父親がオモチャや食べ物を買い与え「お母さんには内緒」という隠し事はやってはいけない関わりです。 父親が母親の陰口を子供に聞かせる、という事ももってのほかです。(その逆も然り) ボーダーコリーのリコシェと同じく、「誰と関係性を結べばいいのか」子供は混乱してしまいます。 わかりやすく言えば、家族の「順位」に混乱します。 父親より母親の方が下なんだ 母親より父親が下なんだ 自分が一番上で、父も母も下 このように、愛着障害の子供は順位づけをします。 愛着支援は一対一なので、「まずは母親」と目標を定めたら、母親が一番でないと支援はうまくいかないのです。 (父親、と目標設定する場合は父親を一番にする) 「犬の躾と、子供の躾を一緒にするなんて」 という意見を持つ方もおられるかもしれませんが、 ボーダーコリーのリコシェの例に当てはめてみると、より「客観的に」問題点が見えてくるのではないでしょうか。 私が不登校支援や児童の支援をしていた際は、「家族の足並みを揃える」事が一番の難題でした。 リコシェの家族は、トレーナーから「知り合いの牧場に引き取って貰った方が、ボーダーコリーの特性を生かした生活が出来るからその方が幸せではないか」と示唆され、 ようやく危機感を感じ重い腰を上げました。 ボーダーコリーではなく、問題行動を起こしているのが人間の子供だった場合、家族が一丸となるまでに一筋縄ではいきません。 (問題行動を起こす子の両親が不仲、親自身が愛着障害である可能性も高いため) 学校や子ども園の先生が「何とかしたい」と思っていても、保護者が協力的ではなかったりネグレクト気味であったり、攻撃的であれば、 愛着障害の可能性を告げる事自体難しいですし、子供のために統一した支援をしたいと申し出ても取り合ってくれない、というパターンもあります。 私が過去に支援したご家族も母親の順位が一番下で、子供が一番上、その下に父親、という順位づけが定着しているご家庭がありました。 ご両親にいくら「協力する事の重要性」「その理由」を説明しても、納得して頂けないという事例でした。 問題行動を起こすお子さんに悩んでいる、という方は 出来れば園や学校、家での様子を見させて頂き、どう子供と関われば良いかという助言をさせて頂くのが理想的な支援です。 家庭訪問、現場での観察が難しい場合はまずは親御さんだけで相談にいらしてください。
2023年11月21日 10:36