親が子供にしてあげられる事は何か
子育ては一大事業です。親も未熟で、子どもと共に成長していきます。
子どもは無垢なので右も左もわかりません。
善悪の区別もつきません。
親も「これで合っているのかな」と迷いながら子育てをします。
子は
自己と他者という、それぞれが自我を持った存在だと気づき
子は親に依存し、成長していきます。
次第に、自己と他者の境界線を作りながら、進みます。
自己の領域を親に侵されている子どもは
何でも親に言ってしまったり、逆に、何も言わなかったりします。
子どもの境界線をしっかり作り、子どもが子どもらしく生きていくには
親は何をしてあげたらよいのでしょうか。
親が与えられるものって何なのでしょうか。
ひとつは安心感です。
「ここに居れば、慰めてもらえる」
「心の痛みを取ってもらえる」
「お母さんといると落ち着く」
「お母さんに話すともっと嬉しい」
ふたつ目に、その子がその子であってよいという自己肯定感です。
「私は私でいいんだ」
「私には価値があるんだ」
「私は感じてもいいんだ」
「私はそれを表現しても良いんだ」
3つめは、自分も人の役に立てている!という自己有用感。
「私も人の役に立てるんだ」
「自分も周りに貢献しているんだ」
4つ目は、自分なら出来るという自己効力感。
「僕なら、私なら、出来るはず!」
「挑戦してみよう」
このような安心感、勇気と共に子どもは自立に向かっていきます。
では、子どもの年齢が大きくなってから
「良くない関わりをしていたこと」に気付いた時
既に手遅れなのか?というと
そうではありません。
適切な関わりを根気よく行っていくことで
新たに愛着関係を築くことは可能だと、私は考えています。
私のスーパーバイザーである米澤好史先生も「愛着は何歳からでも修復できる」とおっしゃっていて、
私自身も成人の愛着障害(さらに発達障害が加わった方も)の方が愛着を修復し
新たに安心感や勇気を獲得して自立していく様をこの目で見てきたからです。
もちろん、傷が深すぎて、心を覆う鉄壁が分厚くなってしまっていたり
あまりにも無垢で幼すぎる場合はそれなりに時間がかかります。
それでも、諦めてしまったら全ての可能性が途絶えてしまいます。
親も人間で、間違うことがあります。
開き直るでも、過剰に自己卑下するでもなく
間違いは間違いとしてありのまま受け止めること。
自分の弱さと向き合い、弱さも醜さも傷も
全てを抱いて生きていくこと。
人生も、人間関係も、良いことばかりではなくて
苦しみもセットで存在していることに気付くこと。
だからこそ、尊く(とうとく)、今目の前にある幸福が当たり前ではないと気づけます。
人は何歳になっても成長することが出来るし、修復することが出来る、
私はそう信じて、日々目の前のクライエントと向き合い、
一回一回のカウンセリングを全力疾走で行っています。
2024年11月24日 12:30