杜の都カウンセリング&セラピィ 紅葉(もみじ)|仙台の心理カウンセリング|アダルトチルドレン、不安障害、強迫性障害、夫婦修復など

仙台の心理カウンセリング【紅葉】は、根本的な性格修正・認知修正を重視し、アダルトチルドレンのカウンセリングに特化しています。

子ども同士のトラブル

幼稚園や学校でのいざこざがあった時、親としてどのように対処しますか?

「子どものすることだから子どもに任せよう」
「大したことじゃないでしょ」
と放置しているとやがて大きな問題になる可能性を孕んでいます。

特に、ASD傾向があるお子さんの場合、被害妄想的な思考が強化され
認知の歪みがより強くなる可能性があります。

ASDの特性が強いと、他者への関心が薄く相手の顔を見ない傾向があります。
そのため、定型発達のクラスメイトが話しかけても無視したり(ASDの本人は話しかけられた事に気付いていない)
ASDの子が一方的に話し続けてしまい、クラスメイトが距離を置いてしまう場合もあります。

子ども同士のトラブルがあった場合、どんな支援が必要なのでしょうか。
まず、トラブルの当事者を「一人ずつ」個別に呼び、話を聞きます。

この時、「トラブルの前に何があったか」を聞くことが大切です。

そうすると、たいていの場合、それぞれの主張があったり勘違いなどのすれ違いがあります。
それをうまく調整するのが「教師」や「親」の役割となります。

具体的な例をあげましょう。

これは、我が子にあった実際のトラブルです。

子どもが登校時、ある児童に「きもい」「別の道から帰れ」など言われたあとに付きまとわれ殴る蹴るの暴行を受けた、と報告してきました。
「キモイと言われる前、何があったの?」と聞くと「急に言われた。」というので
「いきなり、突然、何の前触れもなくきもいと言ってきたの?」と再度聞きました。
それでも我が子は「一方的に被害を受けた」という認識のようで、担任教師にもそのことを伝えたうえで、
翌日の朝、通学路で私と息子でその児童を見つけ、声を掛けました。

我が子を少し離れた場所で待機させ、その児童に時系列を聞きました。

すると別の側面が見えてきました。

いつも通学路で見かけていて、息子の事が気になっていたようで
「今日の帰り一緒に帰ろう」と声を掛けたことがどうやら事の発端らしいのです。

すると息子は「君と帰ると〇〇〇〇(文言は記憶になし)になっちゃうから、帰れない」と、難しい言葉で拒否されたそうです。
それを息子に確認すると、息子は記憶にないと答えました。

児童に「そっか、仲良くしたかったんだね。一緒に帰ろうと声を掛けたら断られたから、頭に来てキックやパンチしちゃったんだね?」と聞くと頷きました。

「誘ったのになんだか難しい言い方で断られてむかついちゃうのはわかるよ。けど、キックやパンチはだめだよね?わかるね?」
「これからも毎日会うんだから、顔を見たらおはようとかバイバイって、普通にお話してね。いいかな?」
穏やかな口調でこのように話すと、児童は「うん。」と答えました。

その後息子には
「あなたは難しい言葉を沢山知っているけど、いきなりそんな言い方で拒絶したら同級生の子は何が何だかわからなくて傷ついちゃうよ。」
「帰ろう」と言われたらせめて「はい」「いいえ」のどっちかで答えてみようか。」
「あの子はあなたの事が気になっていて、ほんとは仲良くしたかったみたいよ。これからはおはようって挨拶してあげようね」と話し
息子もすっきりした様子で「わかったよ!ママありがとう!」と颯爽と登校していきました。

息子は心理検査の結果が凸凹で、言語能力(語彙力)が同級生に比べ2.3歳上です。
しかし、他者の気持ちを読み取ったり、相手に関心を持ってコミュニケーションを取ることに
その言語能力を生かせず、むしろ言葉が長けている分鋭く冷たい言葉となって相手を傷つけてしまうことも多々あります。

ASD特性があり言語能力に長けている場合は認知が歪んでいても
息子のように言葉で説明することがある程度出来るのですが、
言語能力が高くない場合「説明」が苦手になります。
そのため、何かトラブルがあった場合は周りの子(目撃者)に詳しく話を聞いていかなければなりません。

そして、今回のケースのように、加害者側に別の意図があった場合は
それをASD本人に伝わるように変換して、適応的な意味で捉えられるように伝えます。

親や教師が子どもと子どもの間に立ち「通訳」の役割を果たすのですが、
この際、お互いの悪意が伝わらないように断ち切る必要があるため「個別」での対応が必要になるのです。

「子どものすることだから」と放置しているといじめに発展したり
ASD特性のある子は認知の歪みをより強化する恐れがあるため
早め早めの対応を心掛けるのが望ましいです。
2024年02月01日 10:28